※今回の記事は、【エコセコ農法-気候変動の下での農作物栽培のやり方の1つの案-】というテーマの一連の記事のうちの1つとなります。以下にそのテーマの目次を書きます。今回の記事は、その目次の中の第2節にあたる「エコセコ農法のやや詳しい話」となります。
【エコセコ農法-気候変動の下での農作物栽培のやり方の1つの案-】
目次
第0節、概要
第1節、エコセコ農法の信頼性と、その判断材料としての私の作物栽培経験の紹介
1-1、この節の目的と注意喚起
1-2、私の作物栽培経験
1-3、私の栽培経験の不備に起因する注意点
第2節、エコセコ農法のやや詳しい話
2-1、エコセコ農法という名前
2-2、在来種、固定種について、自家採種
2-3、刈草マルチについて、具体的なやり方など
第3節、その他
3-1、 幾つかの問題点
3-2、エコセコ農法における小ワザ
3-3、その他の補足
第4節、オマケ 各農法の特徴(あくまで私見です。)
第5節、あとがき
以下からが、今回の本文となります:
第2節、エコセコ農法のやや詳しい話
この第2節が、この度の一連の記事において中核をなす記事、節となります。
2-1、エコセコ農法という名前
名前から察せられるようにエコセコ農法は、エコでセコい、という特徴があります。エコということで、環境負荷が低い。そしてセコいは、節約的であまりお金が掛からない、ボンビーでも大丈夫、という事になります。
先ず、エコについてですが、エコセコ農法は、環境負荷が少ないです。化石資源、化石燃料をあまり使わないので、二酸化炭素排出量が少ないです。温暖化、気候変動の推進をしない農作物栽培法となります。
次にセコいについてですが、エコセコ農法は、お金があまり要りません。鍬や鎌といった人力で作業する道具を購入する程度です。耕さないので、高額の出費となるトラクターや耕運機などは必要ないです。即ち、石油(化石資源)燃料で動くエンジン動力の道具は、せいぜい刈り払い機(草刈機)くらいで済みます。また、やろうと思えば柄の長い鎌(死神の持ってるような感じの鎌、あるいは、ガンダムWに出てくるガンダムデスサイズの武器のような鎌)を使えば、刈り払い機よりは作業効率は落ちるものの、石油燃料ではなく人力での草刈りも、やれない事はないです。その長い柄の鎌は、林業において下草刈りの作業に昔、使われていたらしく、下草刈鎌と呼ばれるようです。
また自家採種すれば、毎年の種代は不要となります。初年度のみの種代で済みます。
概して、エコセコ農法には、メリットとして、お金が掛からない、という傾向があります。他方、デメリットとして手間が掛かる、時間が掛かる(充分な投入時間が必要となる、生産効率が悪い)という傾向があります。
また、エコセコ農法は、作物栽培初心者、農の初心者に向いた方法と言えると思います。私見となりますが、逆に慣行農法や有機農法は知識や技術、判断力が必要で、難易度が高いと思います。
例えば、慣行農法でトマト栽培時にプラスチックマルチを用いた際には、暑くなってきたら、プラスチックマルチを解除する必要があります。トマトは暑さに弱く、プラスチックマルチをしたままだと土の温度が高くなり、良くないからです。このように慣行農法では暑さに対して敏感に舵を取る必要があります。
他方、エコセコ農法においては、2-3で後述するように、刈草マルチは夏は日照りによる高温や土の乾燥を緩和し、寒い時期は保温効果や分解熱で寒さを防ぎます。刈草マルチさえしてしまえば、ある程度の暑さ、寒さ対策はしなくて済みます。またエコセコ農法は雑草も許容しますが、雑草は水分保持や虫害、獣害に対しての緩衝作用があります。流石にエコセコ農法においても気温の高い低いに応じて何らかの行動を取る必要のある局面はありますが、慣行農法に比べて舵取りのハードルは低いと憶測してます。
また、慣行農法や有機農法においては肥料を使います。肥料は量が多過ぎると虫害を招きます。肥料の使用は気を遣う部分があると私は憶測してます。他方、エコセコ農法は無肥料なので、肥料使用時にまつわる気苦労、判断は不要となります。なお、慣行農法ならば、肥料を撒きすぎたり、肥料の時期を誤って、虫害が発生しても農薬という対処法をとれます。しかし有機農法を無農薬でやっている場合、肥料を使うので、虫害のリスクと隣り合わせであるにも関わらず、化学農薬を使えないので難易度が高いのではないか、と私は憶測してます。酢などの自然原料由来の防虫薬を使うことになると思いますが、化学農薬よりはコストも高く、効果も低いのではないか、などと憶測してしまいます。
上記の事例のような感じで、エコセコ農法は、農地の環境、システムが、ある程度、自然に変化に対応してくれる部分があります。農作業者が人為的に介入、コントロールしなくて済む部分があります。これは自然農法系も同様と思います。私は自然農法系は初心者にも向いている農法と思ってます。自然任せにできる部分多く、技巧を要しないというか。逆に、慣行農法や有機農法は上級者向けの農法だと思ってます。
以下、エコセコ農法における特徴である、在来種、固定種の使用や刈草マルチについて述べてゆきます。それら以外の言及しない要素については、主に自然農法系に準じる、あるいは、同様となります。
2-2、在来種、固定種について、自家採種
在来種や固定種で作物を育て、自家採種してゆく、というのはエコセコ農法の大きな特徴の1つです。2-2では、この事について述べます。
△ 在来種について
在来種は無肥料でも、良く育ちます。固定種もものによりますが、概ね、無肥料でも良く育つと思います。(近代的なF1種を年数をかけて、固定化した固定種は、無肥料では、うまく育たないと私は憶測します。その固定種をうまく育てるには肥料が必要になると思います。)
他方、近代的な種、F1種は肥料を前提としている部分があり、無肥料ではうまく育たない傾向があります。お米についてもそうです。私が栽培した時は、割と近代的なコシヒカリは、無肥料ではうまく育ちませんでした。他方、古代米やイセヒカリは、無肥料でも、よく育ってくれました。
△ 自家採種について
・自家採種による環境への適応-温暖化対応-
在来種や固定種を自家採種する事で、年々、だんだんと種が環境に慣れて行きます、馴化してゆきます。環境というのは土、土地、気候などです。
毎年、自家採種する事で種が、作物が、温暖化というか、高温化に慣れてゆく、ついて行く、適応してゆく面があります。
しかし、近年の温暖化は急激さは、自家採種による種の環境への適応の限界を越えつつあるのかも知れません。即ち、今後は自家採種しても温暖化による環境の激変に作物がついて行けない可能性もあると思います。そうなる前に温暖化をくい止めたいところです。
・自家採種は種を大量に入手できる
自家採種すると割と大量に種を入手できます。種を毎年、購入した場合は、種代金もまずまずの出費となりますし、種1粒を大事に1株に育てるだとか、あるいは間引く場合でも1株あたりに種3〜7粒を蒔いて、将来的に1株に間引く、とかのケースが多いと思います。
自家採種すると大量の種を入手出来ますので、「下手な鉄砲数打てば当たる戦略」をとれるようなります。数で攻める事ができるようになります。10〜20粒蒔いて、将来的に間引いて1株にする、という種の蒔き方もできるようになります。間引くのが大変かも知れませんが。
自分で在来種や固定種を自家採種してるならば、種を他の農をしてる人と分かち合う、譲るとか、託すのも良いと思います。また逆に自家採種してる人から種を分けてもらうのも良いと思います。
・自家採種すると栽培期間が長くなる。(デメリット?)
自家採種すると自家採種しない場合に比べて栽培期間が長くなります。例えば、ナス、キュウリ、トマトなどは、自家採種する場合は実が実ってから、ある程度、実が熟成して種に栄養が行き届いてから収穫して、種を採種する事になります。食用で収穫する場合に比べて、実を放置する期間、収穫するまでの期間が長くなります。
また別の例として、大根の場合について書いてみます。自家採種しないならば、大根のトウが立つ前、花が咲く前に収穫して栽培終了です。しかし、自家採種するとなると、トウが立ち、花が咲き、実がなって、実の中の種に、ある程度栄養が行きつくまで、栽培する必要があります。栽培期間が長くなります。毎年の種を購入する種代というお金は掛からないのですが、代わりとして、栽培に手間、時間が掛かるという訳です。しかし、大体の場合、トウが立つほど大きく育ってしまえば、ほぼ放置しておくだけで良いので、種の採種までは、余分な手間は、ほぼ掛かりません。作物が大きくなってしまえば、草むしりなどの作物の世話をする必要は、あまりない、という訳です。但し、種を採種する際に手間が掛かります。大根などの秋野菜を自家採種する場合、春ともなれば、大根などの秋野菜の花が咲き、蝶などの虫が舞うなどして、エコセコ農の畑は、さながら楽園の如き様相にもなります。(自家採種してる自然農法系の畑も同様と思います。)
△ 初年度の在来種、固定種の入手法
・ネット通販で購入(私は野菜については「野口のタネ」で購入しました。)
・在来種、固定種で作物栽培してる人から、分けてもらう。(私は稲については自然農をしている方から分けてもらいました。)
・その他(何か他にも方法があるかも知れません。)
△ 自家採種の方法
・自家採種の方法については、他の文献を参照して下さい。
2-3、刈草マルチについて、具体的なやり方など
△ 刈草マルチの特徴
以下に刈草マルチの特徴を書いてゆくことにする:
・耕さなくても、刈草マルチの層の下の土は、粘土のような土の状態になり、土が栽培に適した水分を含んだ柔らかい状態になる。あるいは、ふかふかで水分を含んだ状態になる。いずれにせよ、土が作物の成長に適した状態となる。刈草マルチのこの効果を便宜上、「刈草マルチの耕起効果」と呼ぶことにする。実際には耕している訳ではないが、そう呼ぶ事にする。
刈草マルチの耕起効果は即効性があり、初年度、初回から期待できる効果となる。
他方、耕起効果以外にも、自然農で言われる年数を重ねるにつれ、刈草の層が土を豊かにしてゆくという、土が年々良くなってゆくという効果もある。
刈草マルチの耕起効果をイメージするには、畑にコンポストを置いて肥料を作る場面を考えるとよい。畑に置いたコンポストでは、土の上に生ゴミがある訳だが、生ゴミの下の土は粘土状で柔らかく湿った状態になる。それは、作物栽培に適した状態である。刈草マルチの下の土も同様な感じになる。コンポストの場合は土の上に生ゴミだが、刈草マルチの場合は、土の上に刈草や枯葉、稲わらとなる。刈草マルチの耕起効果とは、畝の上に刈草などを置くことで、土をコンポストの下にあるような土の状態にすること、とも言える。(以下、この記事においては、刈草と書いてある箇所は、他に枯草、枯葉、稲わらなども含むことにする。)
・時間が経つと刈草マルチは分解され、養分となる。無肥料と今まで書いてきたが、この意味において、刈草マルチは、肥料を施している事になる。
・刈草マルチは夏の暑い時は、日差しを遮り、刈草マルチの層の下の土が高温になるのを防ぐ。刈草マルチの層の下の土の水分を保つ効果もある。
また、寒い時期は刈草マルチの層には、毛布のような保温効果が期待できる。また刈草マルチが分解される際には分解熱を発するであろうから、寒い時期もある程度、土は温かい。
刈草マルチの、この点に関しては井戸水のような「夏は冷たい。冬は温かい。」といった特徴がある。
上記の暑い時に土の温度上昇を抑える、というのは刈草マルチのプラスチックマルチにはないメリットとなる。他方、それと引き換えに、刈草マルチは、プラスチックマルチと比べて雑草が生え易く、作物が小さなうちの雑草対応の手間がかかる、というデメリットがある。
しかし、雑草の存在は温暖化状況下においてメリットとなる面もある。栽培作物付近の雑草の存在が猛暑時の土壌の水分保持や日陰作り、栽培作物付近の気温の上昇を抑えるといった効果が期待できる。この雑草の温暖化状況下におけるプラス面を活かせるのは刈草マルチのメリットでもある。温暖化状況下においては、刈草マルチと雑草マルチ、2種類のマルチが活躍するかも知れない、と思う次第である◾︎
△ 刈草マルチのやり方
以下、刈草マルチのやり方を、ある程度、細かい点まで書く。以下、①、②の行程が刈草マルチにおいて本質的である。細かい点まで真似する必要はない。刈草マルチのエッセンスを把握して、あとは、作物の特性や土地柄、気候、季節、自分の流儀、作物栽培のやり方に応じて、アレンジ、調整する必要がある。
直播きの場合と、育苗してから移植する場合の2通りを書く。先ず、直播き、苗移植の両者に共通、かつ、初年度のみの行程として畝立てがある。
⓪ 畝を立てる。これは、初年度のみで良い。私は鍬やスコップで人力で畝を立てた。耕運機やトラクターで耕起してから畝を立てると楽だと予想される。なお、私は耕運機や、トラクターを使った事がない。立てた畝の高さにも依るが畝は数年は保つと思う。(私は畝を立て直したことはない。)
・直播きの場合
① 種の畝へ直播きの2週間前〜1ヵ月前になったら、次のような作業をする。先ず、畝の雑草の草刈りをする。この作業以前に念入りに畝の草刈りをせずに、ある程度(かなりの程度?)、雑草を成長させておく手もある。次に畝をある程度の厚みで、先ほど刈った刈草や、その他の場所で草刈りした刈草、枯れ草、枯葉、葉、稲わらなどで覆って、刈草マルチとする。その作業をしてから、その後に、ある程度以上の雨量の降雨がある必要がある。なお、厚い層で覆うのは、土を柔らかくしたり、水分保持など、土の状態を良くする為。厚い層で覆う事で、耕す必要のない、柔らかで、水分のある粘土状の土となる。乱暴な言い方をすれば、「刈草の厚い層で覆うと、耕す効果がある」と言える。
(※とはいえ、度を越した厚みでは、何らかの弊害のある可能性がある。過ぎたる、が不味いのは肥料と同様かも。)
なお、冒頭の2週間前〜1ヵ月前という期間は高温多湿の時期には短く、低温時期には長くなる。食品の消費期限と同様の傾向となる。
② 種まき日の作業→直播きの場合は、種を蒔く箇所をを覆ってる刈草マルチをどかす。
この時に、もし、その場所に雑草があれば草削り用片手鍬(柄の長さが30cm程度の短い三日月型の鍬。曲がり鎌と言うらしい)で削ったり、あるいは、普通の鎌で刈ったり、手でむしったりなど、雑草を排除する。雑草がなければ、この作業は省略。覆っていた刈草をよかした際に、その下の土の部分は湿っていて、粘土状の土になっているはず。そして耕していないのに柔らかな状態になっているはず。(土質などにより、一概には言えないかも。あるいは、ふかふかの土になってる場合もある。いずれにせよ、栽培には適した状態である。)
もし、刈草マルチの下の土が乾燥していて水分が不十分なようならば②の作業に入る30分〜1時間前に、種まきの予定地に刈草マルチの上から水を撒く。水を撒いて30分〜1時間後に土が落ち着いてから②の作業に入る。
(しかし、そうなるようでは刈草マルチ失敗と言えそう。)
③ 種を蒔こうとする場所の土をある程度の力、適度な力で鎮圧する。その後に種を置く。
a、覆土しない場合は、再び、適度な力で鎮圧して種を少しだけ土にめり込ませる。その後、どかしていた刈草を上に置いて、またもや適度な力で鎮圧する。あるいは、優しく押さえる。
b、覆土する場合は種のサイズの1〜3倍の土の厚みで覆土するのが目安となる。覆土後に、その上に、どかしていた刈草などを置き、その後、刈草の上から適度な力で鎮圧する。
覆土はaのように省略できる場合もある。覆土については、作物や気候など状況に応じて自分の物差し次第で、する、しないを判断する。
種を蒔いた後、種蒔きをした場所の上に置く刈草などは適量を自分の判断で。天候や作物の種類に応じて自分の物差しを作って判断すること。多いほど、土の水分が保たれるが、層が厚いと種から芽が出た後、徒長(ヒョロ長くなる。細長くなる。)の原因となる。
土に充分な水分があれば、種まき→上に刈草を置く、の作業の直後に水撒きは不要。しかし、土の水分が少ないと感じたり、高温、日照りが気になる時は種まき後に種を蒔いた場所に水を撒く。この水撒きの判断は自分の経験やセンスに基づいて適宜、行うなり、省略するなりする。これで種まきは終了。
④ 芽が出てきたら、芽の状況に応じて適宜、現状維持するなり、株の上の刈草を一部、移動させるなりする。株の上に置いた刈草の層が厚いと、徒長の原因となる。徒長気味なようならば、株(種)の上に置いた刈草を少し、どかして、株の上にある刈草の量を減らす。
⑤ 作物が充分に育つまで、作物が雑草に負けないように雑草むしりなどの手入れをする。
取った雑草は作物の根元あたりに置くなどする。あるいは、根元〜根の勢力圏のやや周辺、根が成長して欲しいあたりに置くと良いかも。日照りが強い時は、雑草を排除し過ぎないように。雑草があると、土壌の水分保持効果や、土が高温になり過ぎないようにする効果があるように感じる。雑草を適度に残す事も大切。(根の勢力圏は、作物の土より上の部分を鏡映しにして、土より下に投影した感じになります。作物の枝や葉を土中、下方に鏡写しにした感じが根の勢力圏となる。)
⑥ 作物が十分に成長して、雑草に負けないような大きさに育ったら、雑草は排除し過ぎないようにする。但し、風の通りが悪くなるくらいに丈の高い雑草をたくさん生い茂らせる事は避ける。適宜、刈草などをを作物の根元に置いて部分的に刈草マルチを維持する。刈草マルチは畝全体で維持する必要はなく、作物の株の根元〜根の勢力圏よりやや広い範囲に置くだけで良い。畝全体を刈草マルチをするのは、種まきの前のみで良い。その後は、刈草マルチを畝全体において、維持する必要はない。
後は収穫や種取りまで、適宜、丈の高い雑草が生い茂り過ぎないように手入れする程度で良い。
⑦ 数カ月くらいかけて、刈草マルチは分解され、刈草マルチは消えて行く。刈草マルチは分解されることで肥料になる。そして、雑草が生えてくる。刈草マルチを維持する必要はない。あとは雑草が生えるに任せて雑草マルチ状態になる。刈草マルチか雑草マルチで
なるべく畝の土が露出しないように心がける。(基本、放っておけば、雑草マルチで土が露出しなくなる。概ね、土が露出していなければ良い。余裕があれば、刈草マルチを維持した方が実は良いのかも知れない。私は余裕がなくて、刈草マルチを維持できず、雑草マルチに自然移行してました。)
・苗の移植の場合
苗の移植の場合も大雑把には直播きの際の種まきの場合に準じる形となる。同様である。苗移植の場合の説明は種まきに比べて大雑把に書く事にする。詳しくは上記の種まきのケースも参考にされたい。
① 畝への苗の移植の予定日の2週間前〜1ヵ月前になったら、直播きの場合と同様の作業をする。即ち、畝の雑草の草刈りをする。それから、刈草などで畝を覆って刈草マルチとする。詳しくは、直播きの場合の①を参照のこと。
② 苗の移植日の作業→移植する場所(苗を置こうとする場所)を覆ってる刈草マルチをどかす。
ある程度、大きく成長している雑草があれば、刈るか、取るかする。小さな雑草なら放置して良い。
覆っていた刈草をどかした際に、その下の土の部分は湿っていて、粘土状の土になっているはず。あるいは、ふかふかの土になってる場合もある。いずれにせよ、栽培には適した状態である。
もし、刈草マルチの下の土が乾燥していて水分が不十分なようならば②の作業に入る30分〜1時間前に、株の予定地に刈草マルチの上から水を撒く。水を撒いて30分〜1時間後に土が落ち着いてから②の作業に入る。
③ ②で刈草をどかした、苗の移植予定場所(株)に苗に応じた大きさ、深さの穴を掘る。次に穴に水を撒く。撒いた水が落ち着いたら、苗を移植する。苗を設置したら、穴を掘った時の土を苗の根元に置いて、手などで、ある程度、しっかりと、押し固める。なお、苗移植は基本的には浅植えで。
④ 次に刈草などを根元〜根元より広い範囲に置いて、苗の根元付近をどかした刈草などで覆う。その後、株(苗)に水やりをする。基本、苗の葉に水は、かからないようにし、根元〜根元周辺に水やりする。
⑤ 雑草対応など、適宜、作物が雑草に負けないように手入れをする。取った雑草は作物の根元あたりに置くなどする。あるいは、根元〜根の勢力圏のやや周辺、根が成長して欲しいあたりに置くと良いかも。日照りが強い時は、雑草を排除し過ぎないように。雑草があると、土壌の水分保持効果や、土が高温になり過ぎないようにする効果があるように感じる。雑草を適度に残す事も大切。(根の勢力圏は、作物の土より上の部分を鏡映しにして、土より下に投影した感じになります。作物の枝や葉を土中、下方に鏡写しにした感じが根の勢力圏となる。)
あとは直播きと同様である。⑥以降については直播きの場合を参照されたい。
▽ 私のやり方は、欠陥があったり、効率の悪い部分あるかも知れません。改善や検証が必要かも知れません。上記のやり方から刈草マルチのエッセンス、本質的な部分を抽出して状況に応じてアレンジ、改善して採用する必要あるかも。
△ 刈草マルチの耕起効果の背景
刈草マルチの耕起効果は、水と刈草と土と土壌の微生物の相互作用によるものではないか、と私は憶測してます。
△ 刈草マルチの原材料の調達
刈草マルチをするには、けっこう、たくさんの量の刈草、あるいは枯葉、枯れ草、稲わらなどが必要となる。そういった刈草マルチの原材料を用意する事が、エコセコ農法の課題の一つとなる。ここでは、その調達方法を論じることにする。
例えば、Aという畑、あるいは畝で刈草マルチをする場合、Aで事前に雑草をある程度、育てて(?)おいたとしても、その雑草を刈った刈草だけではAを充分な厚さで刈草マルチするのに十分な量の刈草にはならない、というのが私の体感である。
(※畝Aにおいて、外部からの刈草の投入無しで畝Aの雑草の刈草のみで畝Aに刈草マルチをして耕起効果を得ることは出来るのか、という問いがある。これに対する回答は、畝Aで十分に雑草を成長させてから、畝Aのみの刈草でマルチすれば、ある程度の刈草マルチの耕起効果は期待できそうである。しかし、十分な耕起効果は得られない、という事になりそう、というのが現在の私の見解となる。
即ち、標語的に言えば、畝Aの刈草のみで畝Aを刈草マルチした場合の耕起効果は、「◯でも×でもない。△である」、あるいは、「良でもないが不可でもない。可である」といった感じとなる。)
即ちAで、刈草マルチをするには、Aで生える雑草を刈った刈草だけでは量が足りず、別のどこかで生えていた雑草の刈草、あるいは、枯れ草、枯葉、稲わらなどが必要となる。
そこで、刈草、稲わら、枯葉などの調達が必要となる。
以下では、刈草などの調達法を幾つか述べるが、読者の方は各自、自分の状況、ケースに応じて適した調達法を考案されたい。
※ 自然農では農地に対して「持ち出さない、持ち込まない」という方針がある。エコセコ農法では、刈草マルチの為に他の場所から刈草なり枯葉、稲わらを持ち込む必要があるので、自然農の上記の方針は満たさないことになる。
▽ 刈草マルチをするのに適した土地 -棚田、段々畑-
先ずは、棚田、あるいは段々畑といった農地を考察することにする。
慣行農法において、棚田、段々畑は効率が悪くデメリットが多いということで、耕作放棄され易い農地だが、エコセコ農法(刈草マルチ)をするには一変して、適した農地という事になる。刈草マルチをする為の充分な量の刈草を確保し易いからである。
棚田や段々畑は、斜面が多く、農地における栽培可能な部分の面積の割合が平野部の平坦な農地に比べて少ない。畔とそれに付随する斜面部分という栽培上、邪魔な、あるいは余計な部分、即ち栽培不可能な部分の面積が平坦部に比べて広いからである。
慣行農法をする場合は、この畔と斜面部は生産にプラスの効果はもたらさず、単に草刈りなどの農地管理の手間を増やすのみのマイナスの効果しかない。斜面部の刈草は燃やすか、あるいは、燃やす必要のないように雑草が小さいうちに草刈りするか、である。後者の場合は頻繁に草刈りする必要がある。
しかし、エコセコ農法においては、段々畑の斜面の部分に生える雑草は刈草マルチの為の刈草の絶好の供給源となる。棚田や段々畑の斜面の雑草を刈った後、その刈草をAの刈草マルチへと転用するのである。運ぶのに手間はかかるが。
慣行農法において、棚田や段々畑は、農業をする際に不利な土地と認識されている。
しかし、今後、温暖化が進めば、比較的山間部に見られる棚田や段々畑といった農地は、山間部という事で平野部よりも高温が抑えられ、また、斜面の雑草を刈った後の刈草を刈草マルチに使えるという事で、温暖化状況下にエコセコ農法ないしは、作物栽培をするにあたり、けっこう適した農地になるのでは、と私は憶測するところがある。なお、私自身、棚田、段々畑の形状の農地を保持していて、過去にそういう土地で8年間作物栽培をしてきた訳である。なので、私自身は刈草マルチをするにあたり、刈草の不足という問題に直面した事はない。
なお、棚田や段々畑の斜面に限らず、栽培場所以外に雑草の生える土地があれば、その雑草を刈った刈草を栽培場所の刈草マルチとして使える訳である。例えば、自分の家の敷地、庭が、ある程度の広さで雑草が生えてくるならば、その刈草を栽培場所の刈草マルチの供給源として利用できる。
▽ 平野部の平坦な農地、狭い家庭菜園など
平野部の平坦な農地や、広くはない数アール程度(1アール=100平方メートル=10m×10mの広さのイメージ)の家庭菜園の畑においては、刈草マルチの為の刈草などを確保する事が困難となる事が予想される。
以下、その対応策を幾つか書くが、あくまで私の頭の中で考えた思弁的、推測的なものであり、実践、検証済みの対応策ではない。
・栽培しない場所の雑草を利用する。
例えば、ある年度において、畝Aにおいて、刈草マルチをして作物を栽培するにあたり、隣の畝Bは、その年度はお休みというか、栽培しない事にする。そして、Bの畝の雑草を刈って、Aの畝の刈草マルチとして利用するのである。刈草の輸送の観点からは、Aと近い場所から刈草を供給した方が効率的である。畝A、畝Bと書いたが、適宜、畑A、畑Bと、広い範囲に置き換えて考えても良い。とにかく、刈草マルチをする部分と、お休みする部分に分けるのである。そして、次年度はBに刈草マルチして作物栽培して、Aはお休み農地とすると、連作障害対策になる部分があるかも知れない。
なお、Aに刈草マルチするにあたり、Aの面積に対して、他にどの程度の広さの面積のお休み農地が必要になるかは、私はわからない。季節や土地柄にも依るだろう。
また、お休みさせるBの土を露出させない事も大切。刈草を一部残してBも薄い刈草マルチで覆ったり、適度に雑草を残し雑草マルチで土を露出させないようにする。
・雑草を残しつつ刈る
刈草マルチをするにあたり、栽培するAの畝の雑草はかなりスレスレ、短めに刈った方が良い。しかし、刈草の供給源で栽培はしない別の土地Cの雑草は、ある程度、丈を残して刈る、という手もある。その方が、刈った後の雑草の復活が早く、結局のところ、長い目で見ると、多くの量の刈草を入手できるのである。
例えば、100の長さのある2つの雑草を考えることにする。これを草刈りして、1つは10の丈を残して、他の1つは30の丈を残して刈る事にする。単位時間後、雑草は再び伸びてる訳だが、11と31という風に等しい長さ伸びて復活するのではなく、11と33のように30残した雑草の方が復活、伸びが早い。
こんな訳で、ある程度、雑草の丈を残して刈る方が、刈草は長期的にはたくさん入手できる。欲張って、初回に刈り過ぎると、雑草はなかなか復活せず、長期的な刈草入手量は少なくなる。
なお、下草刈鎌(柄の長い鎌、死神の持ってるような鎌、あるいは、ガンダムSeedに出てくるフォルビドンガンダムの武器のような鎌)で雑草を刈る場合、刃を傷めないように、自然と、丈を残すようになる。ヒモ型にせよ、チップソーにせよ刈り払い機だと、かなり、短くスレスレに雑草を刈るようにできるが、下草刈り鎌はそうは行かない。
◯ 下草刈り鎌による人力の雑草刈りについて、しばらく脱線する事とする。
私は現在、刈り払い機ではなく、下草刈り鎌で草刈り、農地管理をしている。作物栽培時には例えば稲作の際には収穫時に手刈り、足踏み脱穀機などを使い、畑作の場合、畝立ても耕運機やトラクターは使わずにスコップと鍬で立てて、石油由来の燃料を動力とする機械は使わなかった。しかし、草刈りについては、作物栽培をしていた頃は刈り払い機を使っていた。この草刈りの作業だけは、刈り払い機を使って動力を化石資源に頼らざるを得ず人力で農作業は出来ないと思っていた。(あと、籾摺りも、電気動力の籾摺り機に頼っていた。)
しかし、作物栽培を中断した頃から、下草刈り鎌で草刈りするのを試してみる事にした。
下草刈り鎌だと、刈るスピードが、刈り払い機の30〜50パーセントに落ちると予想していたが、案外、そこまでは遅くならず、体感70パーセントくらいの速さで作業できると感じた。即ち、刈り払い機を使い単位時間あたり100の面積を草刈りできるならば、下草刈り鎌だと70程度の面積を草刈りできる感じである。
しかし、農地管理という観点から行くと、下草刈り鎌の弱点は、上述の作業効率ではなく、雑草の復活の早さにあると感じた。即ち、下草刈り鎌だと、雑草の復活、伸びが早いのである。理由は前述した通り、チップソーの刈り払い機だと、雑草を地面スレスレまで刈れるのに対して、下草刈り鎌だと、雑草の丈をある程度、残す事になり、雑草の復活、伸びが速いのである。下草刈り鎌でスレスレまで刈ると、下草刈り鎌の刃がすぐに傷んでしまい、また研ぐ事になる。それを避けるように作業する事になる。
このように人力の下草刈り鎌による草刈り、農地管理は雑草の復活が早いという短所がある。しかし、この短所は、刈草マルチをするにあたり、刈草の確保が必要という観点からは長所へと転じる。雑草の伸び、復活が早い方が長期的には、たくさんの刈草を確保できるからである。
今まで書いてきた事から、一般に不利に思われる棚田、段々畑、そして下草刈り鎌のマイナス面がエコセコ農法においては、プラスに転じる面がある、という事になる。しかし、それは、あくまで、多少のメリットになる面があるだけで、やっぱり、いろいろと厳しいかも知れない…(下草刈り鎌に関する脱線おわり)◾︎
・ピンポイントで重点的に刈草マルチする。
今までは、畝をだいたい一様に刈草マルチで覆う事を想定していた。
しかし、それをするに十分な刈草が足りないとなれば、先ずは、畝全体をうっすら、あまり厚くない厚みの刈草で覆い、あとは、種まきなり定植する位置付近のみ重点的に厚みのあるように刈草を配置する、という手もあるかも知れない。
あとは、作物の成長に応じて、作物の株付近に、だんだんと広く刈草マルチを施してゆく。
また、刈草を使い回す手もあるかも知れない。人参の種まきに7月に使った刈草を、その後、大根の種まきに使う、といった次第である。
しかし、これで上手くゆくかは、わからない。
・稲わらを使う
稲作をしていれは、稲わらを入手できるので、それを刈草マルチに使う手がある。
ここで稲わら使用について、2つのほぼ逆方向の考え方が私には思い浮かぶ:
① 私は水田Dで入手できた稲わらはなるべく水田Dに返した方が良いのではないか、という思いもある。水田Dで得た稲わらを畑Aの刈草マルチに使うのに抵抗のある部分もある。自然農の「持ち込まない、持ち出さない」に固執はしないが、ある程度、意識している。しかし、適度な量の稲わらならば、転用しても構わないと思う。しかし、水田Dの度を越した量の稲わらを畑Aの刈草マルチに使用するとなると、水田Dからの収奪が多過ぎて不味いのでは?と思う部分がある。
② ①とは逆に水田Dの稲わらをどんどん畑Aの刈草マルチとして使う。というのは、農文協の本に「水田は用水の水でミネラル、微量栄養素が補給されるので無肥料でも、毎年、継続して、ある程度の収量が得ることができる。これは畑の野菜とは異なる特徴。」というような事が書いてあった。という事は、稲わらをどんどん水田Dの外で使って、水田Dから収奪しても、用水の水によって、水田Dから収奪された養分は補給される、という可能性も考えられる。
上記①、②について、私が稲作をしていた頃はある程度の厚み以上で刈草マルチをする、という、やり方をしていなかったので、実際上、どうなのか、わからない部分がある。
あと、私は、稲作をやっていた当時、うっすら刈草マルチをする際に、稲わらを使った。(あと稲わらは、けっこう、ケチって使っていた。)その時の経験からすると、どうも稲わらは刈草マルチによる耕起効果を得るのには、向いていないような気もする。茎ぽい部分が多いからである。広葉樹の葉のような形状の刈草がけっこう、刈草マルチには良いのではないか、と憶測する部分がある。
ともあれ、私が稲作をしていた時は、今回の一連の記事で書いている、耕起効果のある刈草マルチの考えには到達していなかった訳で、今回の稲わらに関する部分も思弁的で実証していない話という事になる。
・ボランティアで家や農地の近くの道沿いの草刈りをして刈草を入手する。
公の為になり、社会貢献をして草刈りをしつつ、刈草を入手すれば一石二鳥かも知れない◾︎
▽ 「第3節、その他」の投稿までに、けっこう、時間、月日が空くと見積もってます◾︎
2026年6月投稿