真留句はこう言った

河流 真留句 (カワル マルク) の物語 ・・・初めて当ブログにお越しの方は【真留句はこう言った 0(ゼロ) ブログ案内】からお読みになる事をおすすめします。

真留句はこう言った コロナ以後5 熊の冬眠 (冬のコロナ第3波の備え) Post coronam

晩夏に真留句は彼の庵で熊とテーブルを挟んでいた。

 

森の生き物たちの王である熊も彼の友である。

真留句は熊に敬意を払っていた。

 

熊は真留句に問いかけた。

 

クマっち「我が友よ、そのうち冬がやって来る。コロナウィルスは食べ物や生鮮食品と同様に高温多湿や紫外線が苦手と聞く。だというのにお前達、人の世界においてはコロナ感染が拡大しつつある。即ち、コロナウィルスがやや抑制される気候だというのにコロナの影響が大きく出ているのだ。

 これはお前達が経済活動を続けるが故なのだが。

そして、低温乾燥の冬は、コロナウィルスが好む季節なのだ。

お前達、人の社会、経済社会にとって今度の冬はコロナによって【社会的な冬】となるであろう。

そしてお前達、人は近年は科学の力、エアコンや豪雪地帯における除雪車などで冬の気候的障害に逆らって活動してきた。しかしお前達も生き物のうちには変わりないから、やはり冬の気候は生理的に苦手であろう。

この、生理や移動に影響を及ぼす【気候的冬】と先ほど話したコロナによる【社会的冬】によって、人の世界は真の冬を迎えることになると言っても良いだろう。

さあ、我が友真留句よ、お前達、人は、どのように今度の冬を過ごすのかね?」

 

この森の王の問いかけに真留句はしばらく目を閉じて考え込んだ。

それから、目を開くと熊の姿をじっと見つめながら話し始めた。

 

真「我が友にして森の王よ、私は、我々、人もあなた方のやり方を見習えば良いのではないか、と思う。」

 

この真留句の短い回答に熊は長い言葉を返すのだった;

 

ク「真留句よ、お前達、人も我々のように冬眠しようというのか。なるほど、お前らしい回答だ。

我々が冬眠するのは、次の理由からだ;

 

冬は雪があれば動きにくく、温度も低いからエネルギーの消費が大きい。その割にエサも少ない。

 

木々が葉を落とすのは次の理由からだ;

冬は太陽の光も弱く、葉に太陽光線を十分に受けることができない。そして低温時に活動するのは生き物にとって余分なエネルギーを消費するのだ。

 

だから葉を落とす。お前達、人の言葉を借りるならば【葉のリストラを行う】ということになる。

 

要するに冬は苦労して動いても得るものは少ないのだ。お前達、人の言葉を借りるならば【生き物にとって冬はコスパが悪い】ということになる。

 

 しかしながら、お前達、人は別だ。科学の力、エアコンで温度を高くし、除雪車で雪を押しのけ、経済活動を続行する。

 ひと昔前、火の力で冬をしのいでいた頃になら、なるほど人も冬は冬眠をしているようなものであった。しかし最近では科学の力の発展故に、そして経済の発展故に、冬でもあなた方の社会活動、経済活動は冬眠することは許されないようになってしまった。

真留句よ、現代においては人に冬眠は許されないのではないか?

 人も半ば冬眠が許されたところの昔の生活の方がコロナ対応には良かったのではないか?」

 

真「賢き森の王よ、我々、人も秋のうちに経済活動をなるべく済ましてしまえば良いのではないかと思う。あたかも、あなた方が冬に備えて、冬の分の採取活動を秋に終えてしまうように。」

 

ク「しかし、お前達、人間の経済活動は貪欲であって、足るところを知らない。常にできうる限り全力で行われているように見受けられる。冬の分を秋のうちに、などとは言わずに常に【出来うる限り未来の分を今のうちに】ではなのか?常に我々の秋の如くに経済活動を行っているように見受けられる。だから、それをさらに拡大などとは出来ないでしょう。」

 

真「確かに、大筋ではそうなのでしょう、あなたの言うことは正しいように私にも思われます。人はそう簡単には経済活動を何倍にも拡大することは出来ませんし、全面的に冬眠をすることも出来ない。できることは部分的、限定的にあなた方の冬眠を真似ることだけでしょう。

部分的、限定的分野で秋の備蓄をして冬には冬眠するのです。

 

 先ず、第一に消費者、個人、庶民レベルでは秋のうちに米、じゃがいもなど長期保存の効く食糧や灯油などの必需品や冬を越す設備を購入し備蓄する。

 この消費活動は単に12月~3月の季節的な冬を乗り切る備蓄、というよりは、次のように思い切って購買活動をするのが良いかも知れません;

 

 コロナで倒産する企業も多いですし、お気に入りの物品を生産してる企業なりその下請け会社が倒産して、もうお気に入りの物品を買えなくなるかも知れない、だから、今のうちに買っておこうとか、もっと過激に大不況などが起きて経済システムが麻痺してしまい「お金があっても物は買えない」などという状況を想定して、正に、今週のお題「もしもの備え」のつもりで思い切って今のうちに買い物、消費活動に走るのです。

 大不況など「社会的な冬」の期間を乗り切れるくらいの備蓄をするために、思い切った消費活動をするのです。

 私はカッサンドラーのような預言の力は持ち合わせておりませんから、そういった大不況が起きるのかはわ、かりません。

 しかし金(キン)も高騰しているのだし、インフレを予期してる人が多いのは確かでしょう。大不況が今後近いうちに起きるにせよ、起きないにせよ、貨幣を日用品や必需品、お気に入りの物品のストックなどの現物に替えるのは金(キン)を買うよりも有用なことのように思えます。

 とはいえ、人が私の言うことに耳をかさないことに関して、そのことに関してはカッサンドラー並みかも知れないのですが。

 

2に生産者、企業レベルでは消費者の秋の備蓄で拡大した消費、需要に応じて生産を拡大する。

 

 そして雇用している労働者に多く賃金を支払う。

 消費者たる労働者はまた、思い切った消費に走る。

 

 このように冬にコロナ第3波がやって来る前に消費活動、生産活動といった経済活動のサイクルをなるべく回転させる。

 

 あたかもあなた方、冬眠前の熊が胃袋に食糧を食い貯めるために採取活動を拡大させるが如くに人間社会も冬の第3波前に経済活動回転を拡大させるのです。

 

経済活動の回転のサイクルが早まれば、効果は限定的分野のみかも知れないが、幾分、冬の分の経済活動を秋のうちにやったことになるでしょう。

 

そして冬の労働者の通勤頻度、労働頻度を少なくして、部分的に冬眠するのです。コスパの悪い冬はなるべく動かないようにするのです。

 

このあたりの誘導や助成は行政が行ってくれるのを祈りましょう。

 

そして、あなた方と一緒に春の訪れを待ちましょう。」

 

真留句はこう言った。

 

 

 

 (冬のコロナ第3波の備え)